この下に写っているたき火みたいな写真は、人が燃えている写真だ。彼は、3日に焼身自殺した29歳のチベット人僧侶。火を付けた後、手を合わせながら300歩も歩いたという。

http://www.rfa.org/english/news/tibet/burn-12032012161600.html?searchterm=tibet+burning

11月だけで28人が焼身自殺を図った、チベット。12月に入ってすでに2人があとに続いている。2012年に入ってから、焼身自殺する人の人数はどんどんと、増している。みんな、中国の不当支配を世界に訴えるために、自らに火を放ち、死んでいった。

自殺している僧侶・尼僧たちの多くは10~20代。ようはぼくらと同じ世代。それか、年下。そんな子たちがガソリンをかけて、バッテリー液を飲んで、「チベットに自由を」と叫びながら自らに火を放つって、どんな気持ちか。考えただけで吐きそうになる。それくらい、重たい。

若い層にはきっと、希望も何もないのかもしれない。ダライ・ラマ法王は「人は絶望した時にしか自殺という行動をとらない」と言っているけれど、まちがいなくその通りだし、いちばん苦しむ方法で自殺をするんだから、ほんとうにいま彼らがいるところっていうのは、絶望のどん底のさらにどん底なんだと思う。

チベット人は国を持たない。パレスチナは国連で国家として認められたけれども、チベット人は国連に、ひとりもいない(と思う)。最近では中国政府の規制も激しくて、チベットに入ることも簡単にはできない。だから、情報だってなかなか伝わってこない。その裏側で、土地も、文化も、すべてが消えていこうとしている。

「ベトナムではひとりの僧侶が焼身自殺をして、全てが変わった。でもチベットでは92人が焼身自殺しても何も変わっていない」。今日出会ったチベット難民の方は言っていた。「自殺した僧侶たちの命を無駄にしないためにも、チベット問題をもっと知って、伝えてほしい」。その通りだ、と思う。

チベット人はぼくたちと同じ仏教の根付いた国に生きている人たちだし、ことばもなんだか似通っている。チベット語の「いち・に・さん・し・ご」は「チー・ニ・スム・シ・ンゴ」。それに、見た目だってぼくたちと似ている。おもしろいことに、DNAまでそっくりらしい。

それなのに、ぼくらはあまりにもチベットのことを、知らなさすぎる。チベットで何が起きているのか、なぜこうなってしまったのか。今からなにができるのか、なにをしなくてはいけないのか。難しいことはぬきにして、”少なくとも”、何ならできるのか。そういうところから考えていきたいし、考えてもらえたら、きっとまだ間に合う気がした。

というか、そろそろ間に合わなくなる気がする。


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